東大寺お水取り(修二会)
今年も東大寺でお水取り(修二会)が行われています。お水取りは東大寺の二月堂でこの時期に行われる法会で、毎年たくさんの見物客が訪れます。
中でもこの「お松明(たいまつ)」は見どころで、二月堂の欄干から大きな松明を突き出してぐるぐる回し、火の粉を下に散らします。奈良の凍てつく寒さの中、観客が一番盛り上がる瞬間です。私も学生当時この真下にいて火の粉を浴び、ダウンジャケットに穴が開いてしまった素敵な思い出があります。
この後はお堂内での行事になり、外からは見ることができません。しかし私が所属していた「史蹟研究会」は、特別なリボンを胸につけて内陣まで入ることを許されていました(女人禁制ですが)。当時はあまり感じていませんでしたが、今思うとなんと貴重な経験だったことか。
粛々と深夜まで続く法会。いつしか寒さも忘れて時をも超えてしまうような不思議な感覚に襲われ、宗教独特の濃密な空気が脳髄をしびれさせます。クライマックスではお堂の中でごうごうと燃え盛る巨大な松明を持った僧が、法螺貝のリズムに合わせて前後に飛び跳ねるという一種のトランス状態の様相を呈します。それを間近で見ることができ、宗教の持つ力、昔からの「信仰」というものをビリビリと肌で感じたことを憶えています。
このような何事にも代えがたい体験をすることができたのも、歴代の史蹟研究会の先輩方の活動によるものと感謝の念に堪えません。また、機会があればぜひ行ってみたいのですが、今は仕事を頑張って、お水取りはジジイになってからの楽しみに取っておくとしましょうかね。
二月堂の横で食べたうどんが懐かしい多摩市多摩センターの整体院身体均整堂からだや